私の読んだ本の紹介~「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」著:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド~

あなたは、データに基づいて世界を客観的に見ることができていますか?

本日は、全世界300万部のベストセラー、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』を紹介します。

この本を読むことで、

➀なぜ人はドラマチックな物の見方をしてしまうのか
②正しい世界の見方

について、学ぶことができます。

世の中にはドラマチックな物の見方が溢れており、事実を誤認しやすい。そのような世の中で、データを基に正しく世界を見る習慣“FACTFULNESS”について書かれた本です。

かの有名なマイクロソフトのビル・ゲイツさんが、2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたという話を聞き、本書に興味を持ちました。

本書のデータ


タイトル:FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
著者:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
出版社:日経BP
ページ数:487
【概要】
ファクトフルネスとは データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。世界で100万部の大ベストセラー! 40カ国で発行予定の話題作、待望の日本上陸ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛!
「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」 ビル・ゲイツ
「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」 バラク・オバマ元アメリカ大統領特にビル・ゲイツは、2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたほど。

◆賢い人ほど、世界についてとんでもない勘違いをしている

本書では世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズを紹介している。たとえば、こんな質問だ。

質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%

質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%

答えは本書にある。どの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できない。しかも、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低い。
その理由は、10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているからだ。

◆教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口問題などをテーマに、世界の正しい見方をわかりやすく紹介

本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げている。いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介している。
これらのテーマは一見、難しくて遠い話に思えるかもしれない。でも、大丈夫。著者のハンス・ロスリング氏の説明は面白くてわかりやすいと評判だ。その証拠に、彼のTEDトークの動画は、累計3500万回も再生されている。
また、本書では数式はひとつも出てこない。「GDP」より難しい経済用語は出てこないし、「平均」より難しい統計用語も出てこない。誰にでも、直感的に内容を理解できるように書かれている。
<公式ページより>

感想

1. 人がドラマチックな思い込みに陥る10の本能

本書では、ドラマチックな物の見方をしてしまう原因として10個の本能が挙げられています。

➀分断本能:世界は分断されている
②ネガティブ本能:世界がどんどん悪くなっている
③直線本能:世界の人口はひたすら増え続けている
④恐怖本能:危険でないことを恐ろしいと考えてしまう
⑤過大視本能:目の前の数字がいちばん重要だ
⑥パターン化本能:一つの例がすべてに当てはまる
⑦宿命本能:すべてはあらかじめ決まっている
⑧単純化本能:世界は一つの切り口で理解できる
⑨犯人捜し本能:誰かを責めれば物事は解決する
⑩焦り本能:今すぐ手を打たないと大変なことになる

こうして本書の目次である10個の本能を眺めるだけでも、自分がこの見方をしてしまっているのかも…と思い当たる物があるのではないでしょうか。

私は分断本能が自分がよくしてしまう、物の見方でした。

こうなれば「勝ち組」、そうでなければ「負け組」といった二極化をよくしてしまいます。

しかし、本書にあるように大抵の物事には中間層という物が存在します。

本書では、貧富を例として挙げており世界を4分割すると75%もの人が中間層であり、貧困層は約9%になるそうです。

私は本書を読むまで、世界の貧しい人は世の中に3割くらい存在すると考えていました。

しかし、データからは中間層が多く、3/4を占めていることを示しています。

では、何故人は分断本能を持つのでしょうか?

それは、メディアが誇張し二項対立を煽っているからです。

世界の貧富で言うと「先進国」と「新興国」という枠組みを作っています。

しかし、分断本能の丞からは、世の中はそれほど単純ではなく、グラデーションで見ることが大切であると気づかされます。

このように本書では、各本能に対して、その内容と脱却するための気づきを与えてくれます。

2. 思い込みを暴くチンパンジークイズ

上で、挙げたドラマチックな物の見方をしてしまう10個の本能を持っていると私たちに気づかせてくれるツールとして「チンパンジークイズ」というものがあります。

世界に関する3択問題で、何も考えずチンパンジーが選んだ正解率 1/3 ≒ 33.3% を越えられますか?という問題です。

チンパンジー問題はこちら

ちなみに筆者は、全世界の優秀な人たちにこのクイズを出していましたが、正解率はチンパンジーの方が高かったそうです。

あなたもぜひチャレンジしてみて下さい。

3. ファクトフルネスの活かし方

ここまで、人がドラマチックな物の見方をしてしまう本能について語ってきました。

これを上手く利用しているのがメディアです。

データの一部や、会見の一部、誰かの発言の一部分などを切り取り、10個の本能に訴えかけるようにセンセーショナルに報道します。

最近では、SNSの発信にも同じ傾向がありますね。

新型コロナウイルスの情報や、注目される事件の犯人について、などなど、ネガティブな情報が独り歩きしメディアやSNSを見ているだけでは、「事実」がわからない状態が続いています。

本書が書かれたのは2018年ですが、時代が進みにつれ情報の量が増えていることから、ますます「FACTFULNESS」の大切さを感じています

誰かの要約や切り抜きではなく、「自分」で「データ」を多面的に見て、情報を取りに行く姿勢を身につける必要性がよく分かる本でした。


この本を読むことで、

➀なぜ人はドラマチックな物の見方をしてしまうのか
②正しい世界の見方

について、学ぶことができます。

今や様々な情報がインターネットで入手可能です。

誰かが発信する“思い込み”に惑わされずに、自らデータを取りに行く大切さを本書で学んでください。

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