明治維新を成し遂げた後の日本に、海賊がいたことを知っていますか?
今日は、永遠の0で有名な百田尚樹さんの著書『海賊とよばれた男』を読んだので、その感想を書きます。
有機化学を研究しており名前を聞くことがあり、訳あって使用するガソリンスタンドがここの会社であるため、興味が湧き読んでみました。
戦後日本の復興を支えるために、闘い続けた出光佐三さんの人生について書かれております。
本書を読むと出光興産の創業者、最高にかっこいい!!となります(笑)
本のデータ
著者:百田尚樹
出版社:講談社出版
ページ数:480
すべてのビジネスマンに捧ぐ。
本屋大賞の話題作、早くも文庫化!ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。
「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。
<講談社出版>
著者:百田尚樹
出版社:講談社出版
ページ数:448
この男の生き様は美しい。
本屋大賞の話題作。読まずに語るな。愛する家族、社員、そしてこの国の未来のために。
この奇跡のような英雄たちは、実在した。敵は七人の魔女、待ち構えるのは英国海軍。ホルムズ海峡を突破せよ! 戦後、国際石油カルテル「セブン・シスターズ」に蹂躙される日本。内外の敵に包囲され窮地に陥った鐡造は乾坤一擲の勝負に出る。それは大英帝国に経済封鎖されたイランにタンカーを派遣すること。世界が驚倒した「日章丸事件」の真実。若き頃、小さな日本の海で海賊とよばれた男は、石油を武器に、世界と対峙する大きな野望を持っていた。
「ゼロ」から全てが始まる。
<講談社出版>
本の感想
本書では、出光佐三さん⇒国岡鉄造、出光興産⇒国岡商店となっているため、これに準拠して感想を述べます。
1. 誰もクビにしない
国岡商店では、“従業員は家族と同然”という考え方のもと、➀馘首(クビ)の廃止②出勤簿の廃止③定年の廃止をしていた。
この考えは徹底しており、戦後の仕事がない苦しい時でも誰もクビにはしませんでした。
また“従業員は家族と同然”の名の通り、家族として戦後の苦しい時期にお金が足りない従業員にお金を工面していたりもしたそうです。
この鉄造の徹底的な考え方に応えようと店員(国岡商店での従業員の呼び名)は他の石油屋の何倍も働いたそうです。
この一連の話から、強い集団とは集団がどうあるべきかをリーダー自らが示し、それに集団内の人間が追随する。
また、その考え方に賛同する人が集団に加わりながら、集団が大きくなることで一枚岩の大きな集団ができ大きな力を手に入れるのだと思いました。
そのため、これからの人生で集団を率いる際には、考え方を曲げずに一番先頭で闘うことが大切なのだと感じております。
また、クビにはしたことがないだけで国岡商店を見限って辞めた人はいるようです。
2. 闘い続けた人生
鉄造は日本の他の石油メーカーや、巨大資本の石油メジャー、GHQや日本の官僚など様々な組織と闘い続けてきました。
それはひとえに自分の信念を貫くためです。
中でも、イギリスに支配され虐げられてきたイランを助けるために、国内外の組織と闘いながら当時はタブーとされていた、イランからの石油輸入に踏み出す話は心に来るものがありました。
それも“黄金の奴隷たる勿れ”という信念のもと、消費者や日本という国の発展のためを思えばこその行動です。
印象的だったのは、強い信念を持って行動する人の前には、ピンチの際に手助けをする人が現れることです。
3. タイトルについて
タイトルにもある、鉄造が海賊と呼ばれるようになったエピソードですが、これは国岡商店創業すぐの頃に鉄造や店員たちが手漕ぎの船に乗って、瀬戸内海の激しい潮流の中で油を売ったことに起因します。
本書を読むことで戦後日本の復興を支えるために、闘い続けた出光佐三さんの人生について詳しくなります。
偉人伝としてよりもまず、読み物として面白いので、ぜひ読んでみて下さい!
この本を読んでから、給油の際に出光佐三氏を思い出すようになりました(笑)
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