私の読んだ本の紹介~「人生の教養が身につく名言集」著:出口治明~

名言集と言われると、ググっと来るものはありませんか?
私は、「名言」というものが好きで中学生の頃に、よく名言を調べてはLINEの一言にしていました笑

今日は、出口治明さんの著書「人生の教養が身につく名言集」を紹介します。

名言を発した人物だけではなく、その時代背景などから詳しく解説されておりとても読みやすい本です。

また、知識豊富な筆者の考え方も同時に書かれており、勉強になります!

歴史から学べ!とはよく言われますが、歴史書を何冊も読むのは大変ですよね笑
そこで、この本のような名言集で勉強するのはいかがでしょうか?
古代から現代までの様々な人物の考え方に触れることができます!

本のデータ


タイトル:人生の教養が身につく名言集
著者:出口治明
出版社:三笠書房
ページ数:293ページ
【概要】
当代随一の読書家、教養人が、「人生を楽しんで生きる」ための名言を一挙紹介!名言とは、「教養」を一言にシンボライズしたもの。
「人生を面白おかしく、ワクワクしながら生きるための知恵」がギュッと凝縮されている――。
その力を借りれば、私たちはより広く、より深く、より遠くまでこの世界を見ることができるのです。 
──出口治明◎ゼロから勉強しない。巨人の肩を借りる
「巨人の肩に乗っているから、遠くを見ることができる」(ベルナール・ド・シャルトル)
◎二者択一の連続。それが人生
「過ぎて帰らぬ不幸を悔やむのはさらに不幸を招く近道だ」(ウィリアム・シェイクスピア)
◎不幸を遠ざける「考え方」をする
「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」(ダンテ・アリギエーリ)
などなど、本書には、人生を「図太く、賢く、面白く」生きるための知恵が満載!
<三笠書房より>

本の概要

本書の中でも、私がなるほど…と思った名言を3つ紹介します!

1.「人間死ぬまでは、幸運な人とは呼んでも幸福な人と申すのは差し控えねばなりません」ーヘロドトス『歴史』ー

この言葉は古代ギリシアの歴史家・ヘロドトス(紀元前484~?)の記した『歴史』に出てきます。

アテネの政治改革者として有名なソロンとリディアの王様・クロイソスによる「幸福問答」と言われるやりとりの中で、ソロンが発する言葉です。

今、運に恵まれているからといって、それが一生続くとは限らない。運が良い時もあれば、悪い時も当然ある。そのため、その人が幸せだったかどうかは、その終わり方(つまり死に方)を見るまではわからない

これは確かにそうだと納得しました。

それまでの人生がどれだけ幸せでも、死に際に悪いことがあったら死にきれなくなりますし、その逆なら幸せに死ぬことができる気がします。

とはいえ、死ぬタイミングがいつかはわかりませんし、常に良い状態で人生を進めることができるわけではありません。

そのため、嫌なことがあってもウジウジせずに明るく生きていくのが一番だと思いました

また、筆者はこの名言に対して、以下のように述べています。

“今の自分が幸せか不幸かなどは、極論すればどうでもいいのです。そのようなことをいちいち考えずに、毎日毎日を楽しむ。私自身、いつやってくるかわからない「死」というゴールに向かって、そうやって時を重ねていきたいと考えています。”

また、その際には現代人の名言も紹介しています。

「『愚痴を言う』『他人を妬む』『誰かに評価して欲しいと願う』……、人生をムダにしたければ、この3つをどうぞ」ーちきりん『多眼思考』ー

「人生の楽しみは、喜怒哀楽の総量である」ー小田島雄志『私の履歴書』ー

2.「不思議なものは数あるうちに、人間以上の不思議はない」ーソフォクレス『アンティゴネー』ー

この言葉は、古代ギリシアの三大悲劇詩人の1人とされるソフォクレスの書いた、オイディプス王の娘・アンティゴネーの悲劇を描いた作品に出てきます。

この言葉が出てきた場面を簡単に説明します。

アンティゴネーの父・オイディプス王はある理由で王位を退きます。その後、王位を巡る争いがありました。これにより、亡くなった兄をアンティゴネーは埋葬しようとしますが、それは新王によって禁じられていました。それにも関わらず、兄を埋葬しようとし、番人に見つかり、王のもとへ引き立てられてしまいます。

このアンティゴネーの恐れを知らない大胆不敵な行動を評して語られたのが、このセリフです

人間の脳は1万3000年前のドメスティケーション以来、ほとんど進化していないと言われております。

どうやら、人間という生き物の合理的でない、不可解さや人間関係の難しさは今も昔も変わらないようです。

筆者は以下のようにまとめています。

“ 結局のところ、この世には、とんでもなく賢い人も、とんでもなく愚かな人もじつはいないのではないでしょうか。そして、とんでもない悪人も、とんでもない善人もじつはいない。みんな、そこそこに賢くて、そこそこに愚かで、そこそこに善良で、そこそこにずる賢い。要するに、みんな、チョボチョボなのです。
 だからこそ、人間関係において、「この人は、いいひとだ」とか、「この人は悪い人だ」と単純に割り切ってしまうと、あとで痛い目に遭ってしまうのです。

3.「世界は偉人たちの水準で生きることはできない」ージェームズ・ジョージ・フレイザー『金枝篇』ー

この名言の解説中に出てくる、出口さんの元上司の言葉にハッとしました。

出口さんが会社を立ち上げる際、その方に若くて良い人材が集まってくれたため、彼らが100%の能力を発揮できるように働こうと思うと告げたところ返って来たのが次の言葉です。

『100%の力を発揮してほしい』なんて言ったら従業員にそっぽを向かれるだけだよ。2~3割を大前提にして、30%のところを33%で働いてもらえるようにするのがトップの仕事だ。毎年、少しずつこの割合を上げていけばいいのだ

人に期待しすぎず、こんなもんだと構えることの重要性を学びました。

また、この名言を発したのは、スコットランド出身の社会人類学者・ジェームズ・フレイザーという方です。

彼の書いた『金枝篇』は、民族学の古典と呼ばれる名作です。

彼は様々な人について研究をしてきて、その成果をまとめた本の中で、「世界は偉人たちの水準で生きることはできない」と述べており、如何にほとんどの人間が怠け者かを教えてくれています

また、筆者は本文中では、如何に人がサボるかというのを「働きアリの法則」や「パレートの法則」を持ち出して語っております(笑)。


 

名言を発した人物だけではなく、その時代背景などから詳しく解説されており、とても読みやすい本です。

また、知識豊富な筆者の考え方も同時に書かれており、勉強になります!

まずは本書を手に取り、様々な考え方・生き方に触れてみて下さい!

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