人生100年時代と言われて、100歳の自分が想像できますか?
本日はリンダ・グラットンさんとアンドリュー・スコットさんの共著作『LIFE SHIFT ライフ・シフト』を紹介します。
この本を読むことで、人生100年時代に必要な人生に対する考え方やキャリア戦略が分かります。昭和・平成の時代と人生100年時代では生き方が変わるんだなということが実感できました。
平均寿命が伸びて、今や100歳まで生きる人が珍しくない世の中になっています。今、20代である私の世代は今よりも多くの人が90歳や100歳まで生きることになるでしょう。定年もどんどん延長され、働かなければいけない期間が長くなっています。そのため、働きたくない人が増え“FIRE”という考え方も蔓延していますね。
そんな世の中で楽しく生きる術が欲しいと考えていた所、本書と巡り合いました。
本書のデータ
著者:リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット
出版社:東洋経済新聞社
ページ数:407
人生100年時代には、私たちを取り巻く社会も経済も、人間の心理も医療も、人口構成も変化していくでしょう。そんな時代の最大のテーマは、あなた自身が、自分の人生をどのようなものにしたいか、ということ。
100歳になったあなたは、いまのあなたをどう見るでしょうか。あなたが下そうとしている決断は、未来の自分の厳しい評価に耐えられるでしょうか。
この問いこそ、長寿化という現象の核心をつくものだと、『LEFE SHIFT(ライフ・シフト)』の著者であるリンダ・グラットンは指摘します。「自分はどう生きるか」という問いに、真摯に向き合う時代がやってきたのです。
<LIFE SHIFTより>
本書の概要
本書は、寿命が100年と言われる「人生100年時代」において、どんな人生設計をしていくかを説いた本です。
現在の感覚だと、65歳で引退して80歳前後まで生きると考えてしまいますが、寿命が伸びている今の世界では若い人ほどこの感覚が通用しません。
では、どう考えて生きていけばいいのか?という問いに対する示唆を与えてくれます。
以下に簡単に本書の内容を書いておきます。
1. 人生100年時代とは?
何度も書いていますが、これからの時代は人生を100年以上全うする人がドンドン増えていきます。
実際に数値ベースで見ても、世界の様々な国の平均寿命は伸びています。
ある研究によるとアメリカ、カナダ、イタリア、フランスで2007年に生まれた子供の半分は少なくとも104歳まで生きるそうです。
また、我らの日本で2007年に生まれた子供の半数は107歳まで生きるみたいで、今後も日本の長寿は続くと考えられています。
100歳まで生きると考えると引退生活が長く続き、ベッド生活が寿命終盤のかなりの時間を占めそうだと考えてしまいますね。
しかし、本書によると今の80歳は20年前の80歳を比べると、健康に生きている方が多いそうです。
そのため、私たちは今の高齢者の方と比べて健康に過ごせる時間も増えるだろうと筆者は述べています。
私はこれまで長寿を体が満足に動かない期間が伸びるだけでしんどそうと考えていましたが、健康寿命も併せて伸びるとなれば、したいことができる時間がドンドン増えていく良いことだと捉えられるようになりました。
2. 大転職時代?マルチステージの人生とは
上記で述べたように、これからは健康な期間が伸びていくことが予想されます。
そのため、今までとは違う人生の過ごし方になるだろうと筆者は考えています。
今までは「教育⇒仕事⇒引退」と3ステージの人生が一般的でしたが、これからは「仕事・遊び・勉強のバランスを取りながら柔軟に人生を組み立てる」というマルチステージになるそうです。
3ステージの人生では、高校や大学までに基礎的な素養を取得し、60~65歳の定年までバリバリと働き、仕事で得た資金と年金を得て余生を過ごすのが当たり前でした。
実際に私の祖父母はこのような人生を歩んでおり、両親もそうなるのでしょう。
しかし、これから何十年と社会人人生を過ごす我々は、このような人生には不安があります。
年金の減額はずっと叫ばれており、収入も上がらないのに寿命は伸びていく。
そのような、これからの時代に対応するために“健康に過ごしながら、より長く働くこと”が求められており、これを可能にするのがマルチステージの人生です。
マルチステージの詳細は本書をご確認下さい。
3. 貯金だけではダメ。無形資産に投資せよ
そんなマルチステージの人生で重要になるのが、「無形資産」であると本書では述べられています。
無形資産とは、その名の通り形のない資産のことであり対義語は「有形資産」で、こちらは現金や金融資産などですね。
無形資産は大きく3つに分けられます。
②活力資産:健康、人的ネットワーク
③変身資産:変化に柔軟に向き合う力
これら無形資産のメンテナンスも人生100年時代では欠かせません。
無形資産を蓄積することで、有形資産の形成を後押しすることができるだけでなく、素晴らしい人生を送る後押しにもなります。
3ステージの人生では、モノ消費が叫ばれていたこともあり有形資産の蓄積に時間が使われがちでしたが、これからは無形資産の蓄積にも時間を使いましょう。
この本を読むことで、そんな人生100年時代に必要な人生に対する考え方やキャリア戦略が分かります。
特にこれからは「レクリエーション(娯楽)の時間を減らして、リ・クリエーション(再創造)の時間に投資をするべき」という一文が鮮明に脳裏に焼き付きました。
日本では、年金など社会制度の崩壊が叫ばれ、自助努力が求められる世の中が徐々に始まっているように感じます。
皆様も長く続く社会人人生に向けて、長期で自己投資を続けていきましょう。
本書を読んで、これからの人生に必要な物を考える機会を作ってみてはいかがでしょうか?
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