内容としては知っていることばかりでしたが、考え方に惹かれました。
本日は、チャールズ・エリスさんの著書『敗者のゲーム』を紹介します。
投資の名著と言われる本書ですが、買うだけ買い、放置していました。しかし、ロシアのウクライナ侵攻により、株価が乱高下する中、インデックス投資で良いことを確認するために読みました。
本書のデータ
リンク
著者:チャールズ・エリス
出版社:日経BP
ページ数:269
世 界 100 万 部 の 超 ロ ン グ セ ラ ー。
資 産 運 用 の 常 識 を 変 え た 伝 説 の 一 冊 !「市場と投資の本質」を伝える投資哲学の名著として、世界中で読み継がれてきたベストセラーを、最新データに基づき全面リニューアル。変動するマーケットに一喜一憂する。じっくり考えて決めた投資計画を無視して、高値で買い安値で売ってしまう。そんな経験をしたことがある方は少なくないでしょう。では、市場動向に左右されることなく、大切な資産を守り、実り豊かな人生を実現するには、どうすればいいのでしょうか? 本書ではその現実的な対応を教えます。著者のエリス氏は、投資の成功は、値上がり株を見つけることでも、ベンチマーク以上の成績を上げることでもなく、「自ら取り得るリスクの限界の範囲内で、長期的な投資計画や資産配分方針を入念に策定し、市場の動向に左右されず、徹底的にその方針を守り抜く」ことだと言います。そのための方法として詳しく紹介するのが、「インデックス・ファンド」への投資です。本書では、個人投資家が押さえるべき運用基本方針のポイント、成功する投資信託や確定拠出年金の選び方、投資の基本原則などについても広く解説。プロ・アマ問わず投資に関わる全ての人に広く役に立つ内容になっています。
改 訂 の ポ イ ン ト
今回の改訂では最新データに基づき全面リニューアル。新たに6章を加え、2020年の新型コロナウイルスの蔓延がもたらした大暴落と急回復期など、最新の市場動向もふまえて内容をアップデートしています。
<公式ページより>
感想
1. 「敗者のゲーム」というタイトル
あなたは投資は敗者のゲームと言われ、何を考えましたか?
私は手数料負けするという話かなと思い、本書を読み始めました。
しかし、本書で説明されていたのは証券市場の変化の話でした。
詳しくは本書を読んで頂きたいのですが、簡単に述べます。
↓
今:90%の機関投資家が瞬時に情報を仕入れ、あらゆる株価が適正価格になる。手数料が取られる分だけ、市場全体からお金が減るマイナスサムゲームの中、さらに90%の機関投資家の隙をついて利益を上げることは不可能に近い。
機関投資家が牛耳る市場は勝ちに行くゲームではなく、ミスをすると負けるゲームとなるため「敗者のゲーム」となるのです。
本書の中では、テニスを例に挙げており、とても分かりやすい例えでした。
プロのゲーム(勝者のゲーム):自らの攻撃によって点を取る
アマのゲーム(敗者のゲーム):相手のミスによって点を取る
2. 投資期間は100年以上
投資について、自分の生きている期間で私は考えていましたが、子供や孫に継承していくことで、その運用期間は数十年から100年以上になると本書から教えられました。
自分が選んだインデックスファンドがこれからもずっと値上がりしていくのであれば、遺産相続の際に現金ではなく、投資信託にしておくことで元本よりも多くの資産を子孫に残せるのだと気づきました。
また、この超長期運用のためにもインデックスファンドの方が良いことが分かります。
アクティブファンドのファンドマネジャーが奇跡的にずっと市場平均を越えられる人だとしても、その人が引退すれば、新たなファンドマネジャーになり、成績が維持できない可能性があります。
しかし、インデックスファンドであれば、指数自体がダメにならない限り、平均的な成績を収め続けるでしょう。
3. インデックスファンドはプロのドリームチーム
さきほど書きましたが、90%の機関投資家が市場を牛耳っているということは、市場の動きを買えるインデックスファンドはプロを詰め込んだドリームチームとも言えます。
本書の中に“トッププロの投資判断を1つにまとめてしまうには、インデックスを使えばよい”とあります。
指数の動きに対して、このような考え方をしたことはなく、斬新な考え方だなと思うと同時に納得しました。
今までは、平均点が簡単に取れるのが指数だし、これに投資しておけばいいやと考えておりました(笑)
トッププロの多数決の結果が指数と考えると、指数が光り輝いて見えますね!
技術の進歩により、投資は勝者のゲームから敗者のゲームになりました。
市場が荒れる中でも、市場に居続けるために本書を読みましょう!
また、本書の著者と、もう一つの投資のバイブルと言われる「ウォール街のランダムウォーカー」の著者の共著のこちらも大変ためになります。
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