最近、化学研究界隈でよく聞く「マテリアルズ・インフォマティクス」って何か知っていますか?
今日は、NEC中央研究所の岩崎悠真さんの著書「マテリアルズ・インフォマティクス 材料開発のための機械学習超入門」を紹介します!
この本には、簡単なマテリアルズ・インフォマティクスの説明と実際にマテリアルズ・インフォマティクスを用いた研究例がソースと共に紹介されています。
データ処理の話であるため、数字や表・図が多く登場しますが、イメージなどで分かりやすく説明されているため、数学嫌いな人でもどんなデータ処理が行われているのかが何となく分かります。
この本を読むことで、実際にマテリアルズ・インフォマティクスでどのような研究成果が得られているのかが分かります。
就活をしている時から、色々な企業で“AI”や“MI(マテリアルズ・インフォマティクス
)”、“DX(デジタルトランスフォーメーション)”という言葉を聞いており、その中でも素材開発に関わる“MI”に興味があったため読んでみました!
本のデータ
著者:岩崎悠真
出版社:日刊工業新聞社
ページ数:152
機械学習はAI(人工知能)の中核をなす、統計数理に基づいた技術であり、これを含む情報処理技術をフル活用し材料開発を進めていく分野をマテリアルズ・インフォマティクスと呼ぶ。本書は、材料開発に従事する人のための機械学習の入門書である。<日刊工業新聞社>
オススメポイント3選
本書のオススメポイント3つを簡単に述べます。
1. 詳解ではなく、ざっくり解説で“MI”がこんなものかと分かる
“「まずは超簡単な本でその領域のイメージを大雑把につかみ、その後に専門書や教科書を読むべし」
本書に位置づけは、上記において一番初めに読むべき“超簡単な本”のつもりで書きました。”
と「はじめに」に書いてあるように、マテリアルズ・インフォマティクスとは何ぞや、という問いに大雑把に答えてくれている本です。(笑)
本書の第一章「マテリアルズ・インフォマティクスとは」の中で、研究開発におけるMIの立ち位置や利点が述べられており、ここでMIの概要が掴めます。
そして、第二章「材料開発における機械学習の基礎知識」で実際に行われている機械学習についての基礎を把握し、本書のメインである第三章へと続く構成になっています。
簡単な所から少しずつ詳細に入っていくため、とっても読みやすいです!
2. 実際の開発事例と併せて解析方法を紹介している
本書では、様々な機械学習の種類とその概要、良い所/悪い所、実際の活用例が載せられており大まかに機械学習の全体像が掴めます。
1つ1つは詳しくない代わりに、こういうデータ解析にはこの機械学習法が向いているんだということが分かります。
また、実際の活用例から、MIを用いた材料開発のイメージが明確になりました。
ただ、やはりというか仕方ないというか材料開発事例は無機化学が多く、有機化学系の研究室に所属している私としては少し残念でした。
3. コラムがためになる
本書には、各章の間に6つのコラムがあります。
このコラムはMIと関連する技術や情報が紹介されています。
解析のもとになるデータをいかにして集めるかというところで、効率よく実験データを集める方法や計算によって集める方法、データベースから持ってくる方法など様々な方法が紹介されてました。
このコラムにより、MIだけでなく、“研究のやり方”も学ぶことができました。
この本を読むことで、実際にマテリアルズ・インフォマティクスでどのような研究成果が得られているのかが分かります。
この本には、簡単なマテリアルズ・インフォマティクスの説明と実際にマテリアルズ・インフォマティクスを用いた研究例がソースと共に紹介されています。
データ処理の話であるため、数字や表・図が多く登場しますが、イメージなどで分かりやすく説明されているため、数学嫌いな人でもどんなデータ処理が行われているのかが何となく分かります。
マテリアルズ・インフォマティクスに興味はあるけど、詳しくは知らないよ~という方は、ぜひ本書で概要をつかんで下さい!
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