皆様、こんにちは!くーです。
今回は、森見登美彦さんの著書『熱帯』について紹介します。
今年の9月に文庫版が発売された本書は、全国の高校生を夢中にさせた「第6回高校生直木賞」の受賞作品です。
そんな本作ですが、とにかく「謎」多き本でした…
本書の概要
本のデータ
「BOOK」データベースより
単行本は2018年11月16日に文藝春秋から発売されております。
そして、2021年9月1日に文庫版が発売されました。
ページ数は単行本が523ページ、文庫版が560ページと大ボリュームの小説となっております。
ストーリー
第1章:沈黙読書会
第2章:学団の男
第3章:満月の魔女
第4章:不可視の群島
第5章:『熱帯』の誕生
後記
本書を一言で表すと「謎が謎のまま、次の物語へ進んでいく物語」です。
「熱帯」と「千一夜物語」という二つの書物を中心に、様々な人物が物語を語っていきます。
そして、その物語の中で新たな物語が語られていくことになります。
そんな不思議な構造で書かれてるのが本書の魅力です。
感想
よく分からないまま、「熱帯」がキーとなるのだなと感じさせる前半と、よく分からないまま、盛り上がってきたなと感じさせる後半でした。
様々なところに、他の物語で語られていることに関係するものが散りばめられており、伏線に気づくとおぉと思うのは森見さんの本らしいなと感じました。
ただ、本書は話の展開が激しく、今はどのような状況かを考えながら読まないと混乱していきます。
今は現実なのか夢の中なのか…
そして、最初に書いた「謎」が解決されていくのかというと…何とも言えませんね。
『熱帯』について、徐々にわかっていくことはありますが、結局『熱帯』とは何なのかについての言及はありません。
この辺りは、森見さんの別の作品「夜行」に近い感じでしょうか。
私は、『熱帯』についてわかったようなわからないような何とも言えない終わり方でした。
個人的には、『有頂天家族』や『夜は短し歩けよ乙女』のようなわかりやすい終わり方が好みです。
とはいえ、Amazoneレビューでは高評価であったりと、人を選ぶというのが本書でしょう。
気になる方は『熱帯』の沼に足を踏み入れてみて下さい。
それでは、失礼します。
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